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ボイトレの実例10話

ボイトレの実例第10話

 

 Bincoは今年88歳。英語教育が始まった時の第一期生である。

 わくわく感で始まった英語授業初めての先生が、あごのしゃくれた女性教師だった。茶目っ気な先生は、自分のあごを指さしながら、long long agoを連発して生徒に溶け込んでくれたらしい。

 Bincoはこの時から英語大好き少女となった。今でも「White Christmas」「Tennessee Waltz」・・・等をカラオケ英語バージョンで歌い上げる。

 その流れからみて、今回のカラオケテーマは「ロングトーン」に迫ってみるのが、当然の成り行きである。

 

 今回はBincoの苦手なロングトーンをテーマに、カラオケを楽しんでみようと思う。

 

 ロングトーンは出だしの息の貯め込み具合が弱いと、途中で息切れして続かなくなってしまう。だから息切れしない為には、強い腹式呼吸で横隔膜をしっかり働かせる意識が欠かせない。

 

 腹式呼吸は胸部呼吸の様に気体で呼吸するのではない。

 腹部に存在する柔軟な筋肉細胞を気体に見立てて呼吸する方法である。従って下半身に圧倒的に存在する筋肉群を、さも気体であるかのように操作する。

 

 大抵の人が、ここで面食らってしまう。もう少し別の言い方をすると、極めて小さな気体粒子を、圧倒的に大きな筋細胞粒子に見立てて呼吸移動させるのが、腹式呼吸である。

 という事で、波動のビブラートを、一定幅のロングトーンに変える練習を意識しながら腹式呼吸を追求する事にしよう。

 

今日の課題曲は

五木ひろし そしてめぐりあい

~~~Binco歌唱中~~~

Bincoの採点参考値89点 ロングトーン70%

 

B「私ロングトーンでは、最後まで息が続かないわ。吐く息が無くなっちゃうのよね。スタミナが無いせいなの?」

 

N「スタミナの勢にしちゃだめぇ~。Bincoは発声する時、息を吐いてないか?

息を吐くと息が出すぎて、ロングトーンするための息が不足してくるよね。

Bincoのレベルになると、次の2点を意識して欲しい。

その1(声帯を閉じる)

その2(のどを開く)

以上2点は発声の大前提なので避けて通る事は出来ない。

特に、この2点が出来ないとハイトーンを出せないからね。」

 

B「声帯を閉じるためには息を吸い込むんでしょ。DAM Ai採点のコメントで舌が上がらない様にって言われるわ。」

 

N「いやー、素晴らしいコメントをもらったね。舌は声帯に蓋をする役目があるので、積極的に舌を声帯に乗っけて欲しい。舌全体で声帯を押し付ける時、舌の筋力ではなく、顔面表情筋の筋力で代用するといいかもね。声帯リキミを避けるためのやむを得ない操作という事になる。」

 

B「声帯が閉じると、吐く息の量が少なくなるって訳なのね。なるほど、その分ロングトーンの息に使えるわね。でも声帯を閉じるって、よくわからないわ。」

 

N「声帯と舌を密着させれば、舌で蓋をされた状態になり、声帯は閉じるよね。ちなみに、舌のセンター近辺を軟口蓋(柔らかいフタ)と言うよ。

この時同時に、舌でのど側を開いている事になり、舌の活用は声帯の閉じこみとのどの開きを同時に達成する事になるよね。のどが開くと、声の響きが噓のようにアップするから楽しみにね。」

 

B「舌で発声出来るようになると発声が楽しくなりそうね。少し解かりかけて来たかもね。舌の下に声帯があるのよね。すると声帯の布団にアクビしながら、舌君がのんびり横になる感じかな~。」

 

N「うまいうまい!その感じ最高。その舌の助っ人として、口角を引き上げ・目を見開き・小鼻の開き等を子分として引き込むと、舌の働きはもっと活躍すると思うよ。

これに息の吸い込みを、腹式呼吸で合体させてやると、発声は更に面白くなる。息の吸い込みには、アクビの本能動作を利用する事で、呼吸安定感がグーンと高まるぞ。アクビは疲れて酸欠の全身に酸素を無意識に取り込むオートマチック装置だからね。」

 

B「そういえば、猫も犬も人も、アクビの時は、全身が後ろに反ってるわね。全身吸入って訳ね。年とって、全身が前側に丸まっちゃうのとは、正反対ね。アクビは安定ボイスの親友だけでなく、老化対策の切り札かもね。」

 

N「もう1つ凄いところは、大アクビの時の口の開きは、のどを勝手に開いてくれるぞ。絶対活用してね。のどちんこが丸見えになるから、間違いなくのどの開きは完璧だ。」

 

B「Noriの役に立たない下ネタは何時も聞き慣れているけど、このネタはエロい発声に結びつきそうね。セクシー味は歌の隠し味だもんね。」